厚労省検討会 新規設備の使用は認めず |
アスベスト(石綿)製品の全面禁止を検討してきた厚生労働省の検討会(座長=平野敏右・千葉科学大学長)は18日、石綿製品の製造、使用などを原則禁止とし、新設の設備への使用は認めないとする報告書をまとめた。同省は労働政策審議会(厚労省の諮問機関)への諮問、答申を経て、来年度中に労働安全衛生法施行令を改正、施行する方針。ただ、現在の技術水準では代替品がない5種目は例外として禁止除外品とする。同省は来年度中の全面禁止を目指してきたが先送りすることになった。08年に改めて禁止除外品を見直す。
報告書は、石綿製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用を禁止し、新規の設備には使用を認めないとした。ただ、国民の安全確保のうえで、例外的に禁止除外をせざるを得ない製品として、既存の化学工場や製鉄所で配管などの溶接部分に使われているシール材4種類(ジョイントシートガスケット、うず巻き形ガスケット、メタルジャケット形ガスケット、グランドパッキン)とロケットモーター用断熱材の計5種類を挙げ、用途や使用条件など禁止除外にあたっての要件を示した。こうした製品は耐熱、耐圧、耐腐食性の点で、代替品が未完成という。禁止除外品を5種類に限定することで、昨年(1〜11月)の石綿輸入量110トンの8割が削減できるとみている。
政府は昨年7月に公表したアスベスト問題への当面の対応で「遅くとも08年までに全面禁止を達成し、前倒しを含め検討する」とし、尾辻秀久・前厚労相は同9月の関係閣僚会議で「全面禁止は06年度中を目指したい」」と発言していた。厚労省の古川祐二・化学物質対策課長は「建材と違い、シール材は代替化が難しい。今回は対応しきれず、(全面禁止の先延ばしは)やむを得ない措置」と話した。 |
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