厚労省など X線検査で吸引判断 |
アスベスト(石綿)による健康被害問題で、厚生労働、環境両省は11日、周辺住民や労働者の家族を救済する認定基準策定のための検討会を開き、肺がん患者の認定基準をまとめた。エックス線検査などで、石綿特有の所見が一定以上生じていることが確認されれば、石綿による発症と判断して救済対象とする。
肺がんは、原因の大半が石綿とされる中皮腫と異なり、喫煙など石綿以外の要因が多い。検討会は石綿が原因で肺がんを発症したと認定するためには、発症リスクを2倍以上に高める程度の吸引量があったかを判断するのが妥当とした。
基準は、胸部エックス線やコンピューター断層撮影装置(CT)の画像により、肺などを包む胸膜が厚くなる「胸膜プラーク」に加え、肺の組織が硬くなる「繊維化」が見つかった場合、発症リスクが2倍以上になる吸引量があったと認定する。
これらの症状が見られなくても石綿が原因で肺がんを発症した可能性が残るため、石綿繊維にたんぱく質と鉄が付着した「石綿小体」が肺の組織の一定量中に5000本以上あるかなどの指標も基準とする。一般環境では発症リスクが2倍になるほど石綿を吸引することは考えられないという。 |
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