国検討会 吸引未確認も救済 |
アスベスト(石綿)による健康被害問題で、環境省と厚生労働省の検討会は11日、救済すべき肺がん患者の認定基準を決めた。労災制度では救えない患者が対象で、一定量以上の石綿繊維を吸引したことなどが基準。石綿の吸引が確認できなくとも、エックス線撮影などで石綿特有の症状が確認できれば、基準を満たしたとみなす。
労災認定と同様に、肺がんの発生リスクを2倍にする量の石綿の吸引があれば、肺がんの原因は石綿と認定できるとした。実際の吸引量では、空気1ミリリットル中に石綿繊維が25本以上ある環境に1年間いた、石綿繊維にたんぱく質と鉄が付着した「石綿小体」が肺組織の一定量中に5000本以上ある――に相当する。
コンピューター断層撮影やエックス線検査で、肺などを包む胸膜が厚くなる症状(胸膜プラーク)と肺が硬くなる症状(繊維化)が確認できれば基準を満たしたとみなす。
労災では石綿を吸引する職場に10年以上いたことが証明されれば、胸膜プラークの確認だけで認定されるが一般住民は環境面での証明が難しく、肺の繊維化も同時に起きた場合に認定することにした。 |
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